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タイタニック号:最後の謎に迫るのTSのレビュー・感想・評価

3.7
【タイタニックの真実を求めて】78点
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監督:トーマス・C・グレイン
製作国:アメリカ
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:60分
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 実は本日4月15日はタイタニックが沈没してちょうど111年なのです。改めて一世紀以上も前になりますが、亡くなった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。さて、ナショジオのタイタニックドキュメンタリーなので、映画とは言えないかもですがありましたのでMark。タイタニック好きなら見ておきたい作品ですね!それにしても、やはりジェームズ・キャメロンは生粋のタイタニック好きなのだということが再認識できました。確かにこれ程好きでないと到底あの映画は作れないことでしょう。当初は赤字確定と言われたくらいの『タイタニック』でしたが、気づけば誰もが知っている、映画史に残る傑作となっています。

 今作は誕生秘話とかではなくて、映画を作ったあともキャメロンはタイタニックを追い続け、新たにわかってきたことをまとめた作品です。特に焦点があてられていたのは、「タイタニックの沈み方」と「救命ボートの所要時間」についてでした。前者に関しては、米海軍や科学者に依頼をして、タイタニックの沈み方を再検証。劇中では真っ二つに船は折れましたが、果たしてどの程度合っていたのか。そういえばこの真っ二つになったという事実も、1985年に海底でタイタニックが発見されてからわかったものであり、まだまだタイタニックには秘密がたくさんあるのです。面白かったのが、スイートルームのデザインは、写真がなかったからキャメロンは憶測で作ったものであり、実際海底のタイタニックにあるスイートルームを見ると、大体同じデザインであったということ。キャメロンも歓喜していて、確かにこれは嬉しいよなと思えました。

 また、救命ボートの件も興味深かったです。救命ボートが乗客数の半分ほどしか乗れない数しかなかったのは有名ですが、検証した結果、この20隻をタイタニック本体から離すだけでも相当な労力がかかり、ギリギリだったようです。いや、現に2隻は水に流されて機能していなかったことから、もし人数分のボートがあったとしても全員助からなかったと推測できます。むしろ、ボートとの接触事故で死亡する人も増えたと想定できるので、皮肉なことにあのボートの数だから、確実にあの人数が助かったとも捉えられるのです。実に由々しき事態であります。

 キャメロンが遺族や生存者の家族と接するシーンも貴重であり、一等航海士のマードックをあのように描いたことを後悔している模様。もう公開されて25年以上たつ『タイタニック』ですが、まだまだベールに包まれているといっても過言ではありません。
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