アキ

ミンナのウタのアキのレビュー・感想・評価

ミンナのウタ(2023年製作の映画)
3.7
清水氏の作品とはすこぶる相性が悪く、昨今の〇〇村シリーズはいわずもがな、巷では随分評価の高い呪怨シリーズもただ音で脅かしてきてるだけじゃねぇとか思うと、いつの間にやら彼の作品を観る機会もなくなってきていたこのお盆、何やらフィルマーで昨今での彼にしては珍しく4点台を叩き出しているのを観て、いやさでもなぁ…とか思いつつも期待度ゼロでいけばまぁ何とかなるんじゃね?といったテンションで鑑賞したあれは確か始まってそれこそ1時間近く経過した頃合いのシーケンスだったろうか。
ゼネレーションズの一人がとあるお宅(呪怨自己オマージュ)を訪ねると、奥の部屋から妊婦らしき女性が出てきて、「すいませんねぇ」などと言いつつ、上の階にいるらしい目的の女性へ向かって「※ネタバレ※」と言ってそのまままた奥の部屋引き下がる。それからキャメラは上の階へと舐めるようにゆっくり動き※ネタバレ※を映した後、再びキャメラが1階の奥の部屋を映すと…「※ネタバレ※」~ゆっくりキャメラが…2階へ…※ネタバレ※ゆっくりキャメラが1階……女性が…※ネタバレ※た瞬間、割合ホラー耐性はあると信じて疑わなかった当方が随分後方へのけぞっちまったのである。
どんな音やどんな気持ちの悪い映像を見せられてもビクともしない当方がこういう”静かなテク”でやられるとどうにもいっぱい食わされた気になって、今までさんざ清水氏の作品には裏切られてばかりではあったのだけれども、この作品から冷静に鑑みるに、どうやらイタイ監督さんではなく、普通にホラーの何たるかを理解しているイケてる監督さんだったということが分かった。

それと、評定についてだが、今般3.7としたが、ゼネレーションズファンなら4点は超えてくるかも。ファンも納得、雰囲気最高、物語もしっかりと開いたものを閉じてるし、演技も普通に見てられる(メンディがやや硬いが、しかし逆にそこが可愛らしさと映るのかも!?)
エンタメホラーとゼネレーションズのPRが見事に融合したほんとにスマートな作品だったなぁという印象です。

*ラストややチープだが、その辺もまぁ作品としての愛嬌として受け取ります。
アキ

アキ