Punisher田中

SISU/シス 不死身の男のPunisher田中のレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.0
舞台は1944年、第二次世界大戦末期のフィンランド北部。
長い年月をかけてようやく金の鉱脈を堀り当てたアアタミは掘り当てた金を紙幣と換金するためにヘルシンキへと向かう。
しかし、道中でアアタミの持つ金に目をつけたナチスから執拗な襲撃を受けるのだったが....アアタミにはある秘密があった。

ジジイ×ツルハシ=最強。

最近流行りの舐めてた○○が実は...系アクション作品、さすがに飽きたよなぁ.....(ポチ)
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ビッッッックリするほど面白い!!
まさかこれまでとは全く違う観点で攻め込んでくるとはね、これはこれでしっかりハマれる。
今までの舐めてた系といえば、やっぱりスタイリッシュなアクションと完全無欠な強さだったが、今作は不屈の闘志が特筆するポイントというのが面白い。
唯一の移動手段が無くなろうが、地雷源に踏み入ろうが、機関銃で撃たれようが、どんな絶望も諸共しない不屈の闘志が黄金の様に輝く作品。
殺しのテクももちろん凄いし、サバイバル術も知識もカンストしているが、打たれ強くはないのが良い。しっかり人間。
(絶対死ぬやろ!みたいな部分は置いておいて)
そして1番良い所が大体90分で収まっているコンパクトさと収まり切らずにはみ出るほどの骨太なストーリー。

一見、アクション特化の作品だが、そこには虐げられてきた人間たちvs虐げてきた人間たちの対立構図がしっかり出来ていて、主人公がほとんど声を発せずとも正立する脚本も必見。
主人公のセリフがほとんど無いというのは、寡黙さや信念、不屈の闘志等のメンタル強度の説得力を深める為だろうが、セリフの無さがしっかり作品の雰囲気を巧くまとめ上げていた。
もし続編があるならば、もっと大暴れしてほしいし殺し合いまくって欲しい。
ただ、1作目のシリーズ導入としてはあまりにも完成されすぎた作品だった。
劇場で鑑賞すれば良かった...と改めて後悔してしまう見事さ。最高。