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カンダハル 突破せよのkuroのネタバレレビュー・内容・結末

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

CIAに出向しているMI6のエージェントが米国に亡命したアフガニスタン出身の通訳と一緒に30時間以内に400マイル先のカンダハルの基地まで逃げるという話。CIA,イラン革命防衛隊,軍閥,タリバン,ISIと登場人物が多く,お互いに出し抜こうとするのでややこしい。ストーリーの軸が定まっておらず,たまにいいことを言わせたいだけの映画。

妻子持ちの主人公トムと対になるのはイラン革命防衛隊のアサディ大佐で,彼も妻がおり,任務に出る前に電話する。搭乗していたヘリコプターが撃墜されて,映画のラストで遺体となって妻の元に帰る。彼を中盤で死なせて,最後までトムを追跡するのが,ミッション・インポッシブルに影響されてしまったようなイキリエージェントのカヒルで,ISISには嫌悪感を持っているのは分かるが,トムと対比的な存在ではない。

通訳のモーが家族を軍閥に殺され,行方不明の妻の家族を探しているというアフガニスタンの過去に対して,トムが西側各国の介入の問題を苦虫を噛みつぶしたようにつぶやくところが,たぶんこの映画の軸なのだがそれなら,そこを話の中心に据えた現地協力者とエージェントとの映画をつくればいいのに,逃走劇の片手間につぶやかれても消化しきれない。

しかも,最後はCIAによる無人機のド派手な爆撃でタリバン勢を一斉して御終い。あの爆撃シーンで「U・S・A」コールでもすればいいのか?

それぞれ家族の元に帰ったトムとモーにアサディ大佐。アサディ大佐の上司は,CIAの機密情報を公にした新聞記者をパキスタンへと追放して,過去に身柄を確保したイスラエルエージェントに対する警告を語って終わり。
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