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ヴァチカンのエクソシストのsymaxのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.7
"悪魔憑きの98%は、精神疾患や思い込みだ…残り2%が…《悪》…"

教皇直轄のチーフ・エクソシストを務めるアモルト神父は、ある少年を救うよう教皇からの命を受け、スペインの古い修道院へ…

そこにはアメリカから母と姉と共にやって来ていた少年ヘンリーの変わり果てた姿があった…

アモルト神父は、少年に悪魔が憑依している事を確信し、悪魔に問いかける…"お前の名は…"

カトリック教会の総本山ヴァチカンのローマ教皇に仕え、生涯で<数万回の悪魔祓い>を行った実在のチーフ・エクソシストであるガブリエール・アモルト神父の著作"エクソシストは語る"を元に作られた本作。

かの名作"エクソシスト"を彷彿とさせる悪魔退治のシーンは、進化した特殊効果によってより派手に、より不気味な表現にはなっていますが、目新しさという点ではそれ程の衝撃は受けず…

ただ、エクソシストと並行して、ヴァチカンが絡むだけに"天使と悪魔"のような謎解きミッションが描かれているところが非常に興味深く、本作を面白くさせている重要なファクターとなっています。

痩せる事を放棄したかのようなラッセル・クロウのでっぷりさ加減がむしろ実際のアモルト神父に似ていて違和感がないのですよ。

結構、アモルト神父は茶目っけたっぷりで、性格の良さが滲み出ています。

実際のエクソシストは、こんなんじゃないのでしょうが、段々"ゴースト・バスターズ"ならぬ、"悪魔バスターズ"的な活劇のような…シリーズ化するんじゃないかとちょっと楽しみであります…それくらい神父のキャラが立っていて魅力的なんですよ。

天国から堕とされた悪魔は総数200…残り199…
教皇直轄のエクソシスト・チームが挑むって…

"死霊館"シリーズのウォーレン夫妻みたいな感じで続けていけるのではないかと?

若しくは、残り199じゃ映画化するには多すぎるので、一話完結のドラマ・シリーズにしてもいいんじゃないかってくらい魅力を持った作品です。

なんせ、教皇を演じたのがフランコ・ネロですよ!このキャスティングにはやられてしまいました…ズルい…

インディに宮崎作品、ミッション・インポッシブルと大作公開にやや埋もれた感もある地味な作品ではありますが…けっこう面白いです。
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