てつこてつ

ティーンエイジ・パパラッチのてつこてつのレビュー・感想・評価

3.8
とても興味深い内容のドキュメンタリー映画だった。

人気TVシリーズ「アントラージュ」(面白かったなあ!)で人気を得た俳優、エイドリアン・グレニアーが、偶然遭遇した13歳のパパラッチ、オースティンに興味を持ったことからメガホンを取った異色ドキュメンタリー。

この作品、華やかなハリウッドの内幕を垣間見れる面白さに加え、パパラッチという存在を多角的に捉えようとする中で、著名(?)パパラッチや、マット・デイモン、エヴァ・モンゴリア、パリス・ヒルトン、ウーピー・ゴールドバーグ、ケヴィン・ディロン他の「アントラージュ」のキャスト、様々なセレブのインタビューをまじえ、また、ゴシップ誌の編集部への訪問、社会心理学者の見識の紹介など、きわめて真面目に題材を追っかけていて、非常に好感が持てた。

エイドリアン自身も、常にカメラの後ろから少年パパラッチを追っかけているのではなく、同じ目線で、少しでも彼の思いを理解しようとする姿勢を見せている。実際に、パパラッチに扮して、カメラを購入し、セレブを追っかける姿は可笑しいし、テレビドラマでしか殆ど存在を知らなかった俳優に対して、とても興味を持ってしまった。

15歳になったエイドリアンに再会するこのドキュメンタリーの終わらせ方も、なかなか見事。彼は、俳優としてよりも、むしろ映画作家として本当のセレブになれる器なのかもしれない。

若かりし頃にゴシップ紙を賑わせていたパリス・ヒルトンの素顔は、とてもチャーミング。
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