本作の舞台の米領サモアはラグビーが強い事で知られるサモア独立国の東に位置している南太平洋の島国でアメリカ合衆国の準州。大統領は現在のところジョー・バイデン。
2002年W杯予選でオーストラリアに31対0で敗れた米領サモアのサッカーチームはそれがトラウマになり、「是が非でも1ゴールを公式戦であげるのだ!」ということが大命題になっていた。
ちょうどドーハの悲劇を経験した我が国が2002年にW杯を自国開催するという面子を保つため、「是が非でも1998年フランスW杯に出るのだ!」と血眼になっていたように。
サッカーは楽しもうよ、もちろん人生もだよというコメディ。
南太平洋の海と日差しとそこに吹く風がレイドバックしたメッセージを濃くしてくれます。
眦(まなじり)決して行かなくてもいいんじゃあなぁい?
というニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ監督だからこそ描ける南太平洋の雰囲気とそこに住む人々の気質。
チームの立て直し役として招聘された監督役のマイケル・ファスペンダーってサッカーが得意な雰囲気が全く無いんですが、ヨーロッパ人にはなかなか理解し難いと思われるこうした人生の生き方が良く描かれたサッカー映画でした。
日曜日の朝8:45上映の回でイビキかいて寝ている疲れたおとっつぁんもいましたが、私はゲラゲラ笑ってしまうシーンもあり朝から良い気分でした。