無口だが、よく笑う男。
久しぶりにヴェンダースの映画を観たが、最初に役所広司が部屋で目覚めるシーンからして既にめっちゃヴェンダースだった。(めっちゃヴェンダースとは?)
タイプは違えど、自分も1年半ほど清掃関係の仕事に就いていたことがあるので、主人公の流れるような動きと、おそらく9割の清掃員がそこまではやらないであろう細かい所まで磨き上げる姿勢に惚れ惚れいたしました。
思うに、この手の仕事における、極限まで効率化された動きの美しさって、ぜんぜん機械的なものではなくて、むしろ人間味を感じるよなと。
はやい人ってみんなそれぞれ「自分にとってのやりやすい方法」を追求してるから、動きにすごく個性が出る。
主人公にしたって、出発前の玄関に持ち物をならべてるのとかも、彼なりの試行錯誤の跡みたいなのが感じられて、淡々としてるけどめっちゃ人間味を感じた。
この業界の人で、理由なく非喫煙者なわけないだろうと(ド偏見で)思いながら観ていたのだが、タバコを吸うシーンの出し方が素晴らしくてニッコニコになってしまった。