このレビューはネタバレを含みます
レビューでは「日常の美しさ」「丁寧な暮らし」的な作品という感想が多かった気がしたけど、個人的には（もちろんその要素もあったけど）全然違う感覚もあった。
限りなく「現実」に近い映画。
限りなく「映画」に近い現実、みたいに感じた。孤独感の描き方が。どっちにも取り込める薄い膜みたいなポジション。
すこーし交わる他の登場人物との歴史や発展は丁度いいところで描かれず。そこがリアルなんだよなーーそういう生活（＝1人の暮らし）ってそういうところあるから。
ルーティーンが少し乱されたり、周りの人たちの生きるリズムが変わったり、あった場所がなくなったりする。
するけど、自分1人の生活はちょっとだけ振り回されて、それでもそれなりにいつも通り進んでいける。
そこには間違いなく美しさがある。
でもどこか虚しくもある。
虚しくもあって、淡々としている。
そこに美しさが宿る。
こういう人やその人の生活、ちょっとした心の機微を描く価値（あえて、「価値」）は、和音のように虚しさと美しさを同時に鳴らすことができることだと思う。
日常の美しさに立ち返るだけの映画とはとても言えない。
人間の持つ孤独の手触りを感じるだけの映画ともとても言えない。
「孤独」や「1人」は決してネガティブな意味合いだけではない。
でも間違いなくそこにしかない哀愁もあるんだよな〜
それを込み込みで生きてく1つのケースを垣間見た感じ。
そりゃ涙が流れるし笑えるよね🚙
どっちも本当だ。
独白もセリフもいらない、
最後のシーンが全てなんじゃないかな。
そのまま進む。そのまま進んでる。
出来ることを出来る範囲で。
選べることは自分の好きなことを。
いい音楽をかけること。
読みたい本を読むこと。
缶コーヒーを毎日買うこと。
