Yu

関心領域のYuのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

先行上映にて鑑賞しました。

何も知らなければ、何も起きていない。
「関心領域」にないものは、何も見えない。

映像と音がここまで切り離された映画は観たことがない。映画の可能性を感じずにはいられません。音響賞ノミネートって、こういうことか…!(下書き溜めてる間に受賞してました、おめでとうございます㊗️)

穏やかで裕福な一般家庭の日常。きれいなお家に整備されたお庭。新しい服に新しいおもちゃ。
どこまでも客観的に撮られるそれと、壁の外から聞こえて来る音。

壁の向こうの惨状は描かず、日常の音としてだけで悲劇を表現する手法は、何が起きているかを知っているからこそ、想像を掻き立てられて吐き気がします。

関心のあることしか見えていない、いや見ていない人間の邪悪さが気持ち悪い。人間の一番醜い部分をくっきり描く凄まじい作品です。

落下の解剖学から引き続き出ずっぱりなザンドラヒュラー。苦虫噛んだような表情が天才です、お見事でした!
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