榊ニル

関心領域の榊ニルのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

わ か ら ね え ー!





マッッッジで終始置いてけぼりだった。キューブリックの『2001年宇宙の旅』思い出したわ。

「すぐ隣で悲劇が起きているのに、平然と日常を享受している家族の話」ってのは、予告見た時点で分かってたよ?まさかそれ以外の展開が一切ないとは思わんやん。



本作は、アウシュヴィッツ収容所の真隣で暮らす家族の物語だ。彼らが豪華な食事を囲んだり、他愛もない雑談を繰り広げる中、塀の向こうから銃声が鳴り響き、ユダヤ人を焼却したであろう黒煙が漂い続ける。いわば天国と地獄が同じ場所で共存しているワケだ。

そんな歪んだ環境に身を置いているのにも関わらず、その家族達は何一つ不自由のない生活が出来てしまってる。まるでユダヤ人の虐殺など認知すらしていないかのように。その気持ち悪さが本作の見所。









のはずなのだが…………何の起伏もない日常風景が、映画として と に か く退屈。途中、川に流れるユダヤ人らしき遺骨や、妻のヒステリックな一面など不穏な描写が度々挟まれるものの、物語に変化が起きないので段々眠くなってくる。気づいたら「もう飽きたし、収容所から逃げたユダヤ人が家族皆殺しにしてくんねーかなー?」とB級ホラー脳になってました。

これ、もしかして予備知識とか必要な映画だった?私の学が無いから、本当は意味がある描写なのにそれに気づかずウトウトしてただけか?うーん。私には難しすぎたな。


とりあえず、今後の備忘録のために、よく分からなかった箇所挙げてきます。

・一色で一定時間静止するカット
冒頭のタイトルコールがうっすら消えての黒。収容所内での虐殺の中、上がる煙が画面を包んでの白。花のアップで段々と滲むように赤。それぞれの演出に物語上の意図を感じたのだが………何あれ。ナチスの国旗に入ってる色を表してるとか?


・夜な夜な何かをバラまいていた少女
レントゲンフィルターみたいな奴ね。最初リンゴを土に埋めていた様に見えたが、その後瓦礫の山みたいな所でバラまいていたのが何なのか謎。……てかその目的は!?途中、収容所にいるユダヤ人目線の歌みたいなのが流れたので、殺されたユダヤ人への供養かな?と想像してみるものの……。手掛かりが無さ過ぎるぞ。

・書斎に入ってきた女
ルドルフが軍の偉い人と電話で話してる途中、急に入ってきたあの女ね。………誰?使用人多すぎて顔覚えて切れなかったんだけど、少なくともあの家の住人では無いよね?男と2人っきりの中、ヒール脱いでくつろいでたし、不倫相手的な?まぁ奥さんヒスってるし気持ちはわかるけどさぁ………。ストーリー上いるか?


・嗚咽するルドルフ
これは何となく自分の中で答えがある。終盤、毒ガスでユダヤ人を大量虐殺する『ヘス作戦』というワードが出てくるのだが、おそらく発案者がルドルフなのだろう。彼はあの階段で、自分が発端でユダヤ人が大勢犠牲になる事に罪悪感を覚え、吐き気を催したのではないかと考察している。途中、唐突に現代の収容所に場面が切り替わり、そこに眠る遺品の山が写されるのだが、「ヘス作戦のせいで、これだけの死がもたらされたんだよ」というのを視覚的に表したかったんじゃかなー?

こんな所かな。今後私の知見が深まって、上記の疑問が幾分か解消されるといいのだが………。そもそも見返すことすら無いかもしれない。次は確実に寝る自信がある。

あ、そうだ。一応良いところも挙げておく。本作、構図が非常に美しかった。特に屋内に関しては、扉を中央に据えシンメトリで統一されており、まるでキューブリックが現代に蘇ったかの様。そのきっちり整頓された画作りに見とれ、序盤は楽しめました。途中から飽きちゃったけど。

総括「よく分かんないけど、映画としてあんま面白くなかった」です。このレビューを書くにあたり、他人の感想見たら自分の評価がブレてしまうと考え、本編だけを見てこの評価を下した。そしてこれを投稿した後、他人のレビューとパンフレットで色々補完していく予定。





…………もし私のレビューが見当違いだったらどうしよ。今後自分の感性が信じられなくなるかもしれん。
榊ニル

榊ニル