広島カップ

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシングの広島カップのレビュー・感想・評価

3.8
1950年代という時代に活躍した黒人でありクィアであるリトル・リチャードはロックンロールの基礎を作った。
彼の半生を綴るドキュメンタリー。

人種差別とゲイに対する差別が強いこの時代に、ステージで鍵盤を激しく叩きつけながらシャウトしている彼を観ていると、世の中に対して承認欲求がすごく高い人だなと感じる一方で、喉の奥から吹き上がる火焔のような純正ロックンロールの提供者であることも伝わって来ます。

もう半世紀近くロックを聴いて来た当方としては「遅いよもぅ」と思い、もっと早くにこうした彼に関するまとまった情報を耳に目にしたかったなぁというのが正直なところ。私の大好きな音楽のルーツがここに在り!と刮目しました。

「ニンッ」している時の伊東四郎に顔が似ていると以前から思っていたリトル・リチャード。
ビートルズ&ローリング・ストーンズという二大ロックバンドに多大な影響を与えた彼。
「思い切りシャウトしてもいいんだ」とポールが思い、渡英した際に彼のステージを観たミックは「ステージ上ではこんなに動いてもいいんだと思った」という。当時まだステージ上では優等生だったストーンズの現在のステージングはまさに彼から伝わったものだったのだ。
おそらくは伊東四郎も彼に触発されてコタツの上で電線音頭を踊ったのではないだろうか。
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