Kachi

グランツーリスモのKachiのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.5
※スコア0.5上乗せしてます。海外作品でここまで日本が出てくるので日本贔屓です。

ゲームセンターやPlayStationで遊んだことがある「グランツーリスモ」を極めるとLe Mans耐久レースで表彰台に立てるところまで到達できる…という、企画を出したら絶対却下されそうなトンデモ話が「実話なら映像化しましょう」となったような作品。

備忘的に何点か記載。

1. ゲームとリアルの往復
レースシーンでライン(効率良く走れる道筋)を視覚化。ゲームプレイ中に車体が登場。レース中に車体が分解されてゲームの部品カスタムシーンに飛ぶ。

と言ったゲーム(バーチャル)とリアルを往復することで映像としての面白さを担保していた。実際、類似作品の「フォードVSフェラーリ」では実際の映像とリンクさせながらレースシーンを描いており、やはり映像作品として鑑賞に耐え得る品質にするには、映画ならではの面白さを追求することが求めらるのであろうと思わされた。実際、その試みは成功していたと思う。

2. 東京への眼差し
ヨーロッパ(イギリス)のゲームギークが、日本に向ける眼差しについて発見のある映像作品でもあった。

日産本社は横浜にあるため僅かに横浜が登場するが、基本的には新宿や銀座、渋谷など訪日外国人がまず訪れるような場所にヤンは足を運んでいる。(寿司屋が特定できなかったけど、きっとあそこはかなりの有名店のはず)

昨年の伊坂幸太郎原作の「ブレットトレイン」は正直に言ってデフォルメされた残念な日本と新幹線が描かれていたが、本作は等身大の日本を描いてくれたように思った。エンドロールであんなに日本人の名前があるのは感慨深い。

3. 実話はずるい
ストーリー展開は、多少の脚色はあれど申し分なく面白かった。これが実話だというのはずるい。
Kachi

Kachi