Jun潤

PLASTICのJun潤のレビュー・感想・評価

PLASTIC(2023年製作の映画)
3.4
2023.08.03

(たしか)ポスターを見て気になった作品(だったはず)。
あらすじを見る限り音楽で待ち合わせた男女の物語のようで、好みの雰囲気ですし期待して鑑賞です。

1974年に突如解散したロックバンド、エクスネ・テディ。
2018年名古屋、エクスネの大ファンである女子高生・イブキはある日、路上でエクスネの曲をギターでかき鳴らす少年・ジュンと出会う。
レコードショップで偶然の再会を果たし、イブキと同じ高校に通い始めたジュンは、イブキと恋仲になり、青春の日々が訪れたかに思われた。
その1年後に学校を辞め、イブキとも別れて音楽の道へと歩んでいくジュンと、東京の大学への進学を目指すイブキ。
それから3年に渡り、彼らはそれぞれの人生を歩んでいく。

音楽版『花束みたいな恋をした』後日談って感じ。
序盤こそ運命的な出会いを果たした男女の関わりを描いていて、ちょっとアーティスティックな雰囲気のある場面もあり、高い独自性を持った作品だと感じました。
その後の展開で時が経ち、お互いの生活、新しい相手、コロナ禍も含めた人生の変化を描いていく。
二人が見た夢は果たして、いつか誰かに届き、また返ってくるかもしれない宇宙へのメッセージか、目の前の生活は豊かになるけれど、何千年もかけて腐り続けるだけのプラスチックなのか。

しかしなぁ、序盤のエモーショナルでアーティスティックな雰囲気と打って変わって、後半の描写の張り方というか、回収せずじまいの場面やセリフなどが多めだった印象が残りました。
少々荒削りにも感じられますが、監督やキャスト陣に対する今後の期待は高めていきたいですね。
Jun潤

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