凛

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。の凛のレビュー・感想・評価

3.8
日本の戦争に行った世代は今では少なくなり、体験した人も80歳以上。
ほとんどの人が戦争を知らない世代。
でも、世界中では絶え間なく戦争がある。

終戦間近の1945年(昭和40年)
この年だけで無差別空襲が始まり、戦没者は格段に増えた。
特攻隊という外国人には理解できない作戦が立案されて、それを国を守るという若者の崇高な精神に支えてられて、尊い命を散らした。

タイムリープした現代の女子高生百合(福原遥)は日本の戦争の結末を知っていて、もう少ししたら敗戦する未来を命を失わずに生き抜こうと提案する。
でも、この言動は当時の警察などには取り締まりの対象。
映画を観ている私達の目線が百合と同じ。

知り合った彰(水上恒司)には教師になるという夢があった。
他の隊員も残している愛する人がいるが、すべてを犠牲にしていく覚悟がある。
昔の人も現代の人も、等しく生きたい理由がある。

当時の理不尽さを特攻隊と絡めてない描くことで、若い世代にも戦争の理不尽さを伝えていると思う。

キャストもみんな若く、それだけに辛い。
こういう映画を観て、自分が今抱えている悩みを違う視点で考えられたらと思う。
今の時代を生きることが楽だとは思わない。
しかし、過去、こういう時代があったことを忘れてはいけない。
凛