初見。カウリスマキが新作「枯れ葉」の雛形だ、みたいなことを仰っている様なので予習。
枯れ葉どころかカウリスマキ作品全般の基本根幹といっていい映画だった。
男と女は一瞬で恋に落ちるし、男同士はあっという間に心を許し合う。
そこに理屈や時間はいらない。この潔さ。
そして、主人公たちは幸福を求めて街を出ていく。いつものカウリスマキ。
主演は、もちろんマット・ペロンパーとカティ・オウティネンの黄金コンビ。
年相応に若い…って事もなく、2人とも老けている様な変わっていない様なw
それは映画全体にも言えて、経済転換期のうらぶれたフィンランドの情景が、なんだか見知った風景にも見えてきて、タイムレス、ボーダーレス。
カウリスマキの映画はシンプルなだけに、時に、戦前後の名画を観ている様な感覚に陥るけれど、それが普遍的な魅力に繋がっていて、世界的に人気にある理由のひとつだと思う。(台詞に頼らない作劇も大きい)
カウリスマキを観ると、もっとシンプルに生きたい、生きれる筈!と思うのだけどれど、現実はそうはいかないんですよね。シンドさだけは、映画と変わらないくせにw
