目眩く混沌の映画体験…。
気持ち悪いシーンやグロいシーン、目を覆いたくなるところもあったけれど、ラストへ展開していくにつれ、なんとも不気味な底知れぬ心地よさを感じてしまった。
主人公ベラの向上心と冒険心、そして世界を学び、己を身体を理解していって、唯一無二の孤高の存在へ進化していく姿を演じたエマストーンは圧巻。
広げた風呂敷を畳まないファンタジックな作品はたくさんあるけれど、こんな怪しくも卑猥に広がった大風呂敷が、畳まれるとこんなにも整った美しさと調和が成り立つのが末恐ろしい！
圧巻の色彩感覚、手書きの？背景、不快な音の作り方、意図的な魚眼レンズ、ベラに狂わされていく数々の男達。そして、自分の物語を紡いでいくベラ。
エマストーンは好きな俳優さんです。
なので正直見たくない様なエマストーンもあるし、見たかったエマストーンも見れるし、凄まじい見たことがないエマストーンが見れるので見終わった時には放心状態だった…。
本作品には、複数の要素が組み合わさった哀れなる"モノ"達が出てくる。そういった暗喩を読み解くのもおもしろいし、ベラが高度な成長を遂げて世界を変えていく姿を夢想する時、何とも言い難い高揚感と優越感に似たような感覚に陥る…。
パンフレットを買いたかったけれど、ガンダムSEEDの列がすごい並んでいたので次回に持ち越し。パンフレットを読んでまた理解を深めてから、哀れな深淵を覗き込むとときっとおもしろいこと間違いない。
きっとこれから先、いろんな映画好き達の運命を狂わすような怪作になっていくのは間違いないとおもいます。
