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哀れなるものたちのkurageのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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脳が赤ん坊の女性・ベラが主人公。
ベラの体は母親、脳はお腹の中にいた子供。
マッドサイエンティストの博士が、自殺した妊婦を発見し、お腹の中にいた胎児の脳を母親に移植したというわけだ。
それだけで嫌悪感がある人もいるかもしれないが、そこで止まったらもったいない。

脳と体がバラバラな成人女性が冒険に出かけ、さまざまな体験によって急速に成熟し、自立した大人になっていくーその変遷が描かれている。
体優位だったときのベラから、知性に目覚めたときのベラまで、エマ・ストーンの全身を使った演技が素晴らしい。
顔のアップじゃなくてヒキが多いのは、そういうことなんだろう。
美術も音楽も完璧に思えた。
CGがあるといえど映像にスキがなく、スクリーンを前にした時間をうっとりと楽しんだ。

人間の脳の深さ、体の可能性、DNAもしくは環境によって性格や才能、胆力などが決まるのか、成熟とはどういう状態か、などさまざまな問いを投げかける、面白い映画だったな。
もう1回観に行く。

最近、母娘共依存に悩む友人のぼやきを聞いたのもあり、子供は早く手放したほうが幸せを探す道が早まるのかもしれないとか色々思うところあり。
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