てつこてつ

憧れを超えた侍たち 世界一への記録のてつこてつのレビュー・感想・評価

3.7
これ、アマゾンプライムでもう配信されてるんだね。いくらなんでも早すぎない??まあ会員としては嬉しい限りなんだけど。

ここ二年くらいのにわかプロ野球ファンとしては、東京五輪同様に今回のWBCも、それこそ昨秋に開催された正式メンバーが決まる前からの練習試合から決勝まで全試合テレビ観戦、レコーダーにも録画を残したままにしてるくらい、感動を貰うと同時に大いに楽しませてもらった。それだけに、特にドラマチックなサヨナラ大逆転でメキシコに勝利した準決勝のように、スポーツは生ものなので、それに勝る感動は、やはりこのドキュメンタリーでは残念ながら感じることは出来なかった。

東京五輪の野球代表の裏側を描いたドキュメンタリー作品のほうが、選手の選抜について首脳陣が議論を交わすシーン、怪我の影響でギータが外れるか??等、本当の裏側を本人のインタビューを交え、前編・後編に分けて丁寧に描かれていただけに、こちらのWBCバージョンは、舞台裏という面では結構アッサリ描かれていた感じが否めない。TBSかテレ朝の特番ドキュメンタリーで、ある程度の内容が既に放送されていたせいもあるかも。逆に権利の問題で殆ど試合自体の映像が使用できていなかった東京五輪と比べると数々の名シーンが本作ではしっかり使用されているので見る価値は十分にあると思う。

それにしても、今や日本だけでなく全世界の野球界のトップスターとなった大谷翔平の、ダグアウトではチームが苦しい瞬間でも、こんなに声を出してこんなに仲間を鼓舞し続けていたんだ、実はこんなにユーモア溢れる人間なんだと、今のMLBの試合後インタビューなどではなかなか見せない非常に人間味溢れる魅力を伝えてくれたのは嬉しい。

メキシコ戦で打たれてしまった先発投手の佐々木朗希が控え室に到る廊下の片隅でひっそりと悔し涙を流す姿も、弱冠21歳の若さのピッチャーにかかっていた重圧をリアルに感じさせられた。試合後に、インタビューを受ける村上選手に山本由伸と共にバケツ一杯のエナジードリンクをぶっかけたのも、そういう意味合いがあったんだと、このドキュメンタリーを見て初めて知った。

個人的にはヤクルトファンなので、怪我さえしていなければ、同世代の佐々木や宮城とこの場に立っていてもおかしくなかった奥川投手の回復を改めて強く願う次第・・
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