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カールじいさんのデートのmaverickのレビュー・感想・評価

カールじいさんのデート(2023年製作の映画)
4.0
ピクサー・アニメーション・スタジオ制作による短編映画。2009年公開の『カールじいさんの空飛ぶ家』のスピンオフ作品であり、Disney+で配信されている『ダグの日常』シリーズの最終作となっている。『マイ・エレメント』の同時上映作品として2023年6月16日に劇場公開された。


『カールじいさんの空飛ぶ家』と同じ世界観の物語というだけで嬉しい。ほのぼのとした話であり、カールと犬のダグのやり取りを見ているだけで癒される。話としては、カールが友人の女性とデートに行くことになったというもの。話の流れでそうなったものの、その事実に後から慌てふためく姿が可愛らしい。準備に取り掛かるも、何をしてよいやら四苦八苦するカール。それを見てアドバイスしたり、ぼやいたり、驚いたりと、まるでお笑いコントのようなやり取りをする二人。最初はただ淡々と眺めていたが、途中からのカオスっぷりに大笑いしてしまった。

二人の物語も、こうして時が流れているのだなと感慨深い。何のことはない日常なのに、彼らが重ねてきた人生の深みがそこには表れている。亡き妻を気遣うカールの優しさにも胸が熱くなった。良き話だ。

カールの声優であるエドワード・アズナーは2021年8月29日に、吹き替え版声優である飯塚昭三も2023年2月15日に死去。これが互いの遺作になった。


本作によってカールじいさんとダグの物語はついに完結となったが、作品上では終わりを迎えても彼らの人生はまだ続いている。そう思わせるラストが微笑ましかった。
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