Jun潤

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男のJun潤のレビュー・感想・評価

4.0
2023.08.13

予告を見て気になった作品。
監督の名前は聞いたことがある程度で、作品も見たことがなかったのですが、監督のドキュメンタリーというのはやはり観てみたいものです。
ちょうど『パルプ・フィクション』の再上映もあり、直前に鑑賞できたので、最低限の下準備を済ませた上で今回鑑賞です。

映画を愛し、映画に愛された男、クエンティン・タランティーノ。
彼の映画製作に対する熱意と愛情、キャスト・スタッフ陣に対するリスペクトを、協働・出演経験のあるスタッフ・キャスト達が語っていく。

いや〜、これはマジで事前に『パルプ・フィクション』を観ていて良かった。
ああついさっき観たばっかだわな場面が序盤にあり、初期の作品製作について触れられた後、その後の作品制作に対してどのように変化していったのか、何が変わらなかったのかの視点で観ることができました。
観てなかったら多分半分も楽しめていなかったかもしれない。
一作でも観ていれば、その作品を軸に楽しめてこの満足感。
タランティーノ監督作品を全て鑑賞してからもう一度観るとなればとんでもないことですね。

今作のドキュメンタリーを例えるとするなら「同窓会」ですかねぇ。
出演キャストの方々が30年以上前の作品についても事細かに語っているのを観ると、本当にタランティーノ監督作品に対する思い入れが大きいんだと感じます。
かつて共演したキャスト同士がまた同じ監督の現場で再会しているでしょうし、もしかしたら今作で久しぶりにタランティーノ監督のことや共演者について想いを馳せた方もいるのかもしれません。
それにネガティブな話よりも楽しかったことなどを生き生きと話していたので、そうやって年月を経ても同じ話題で楽しめるというのは、出来そうだけど難しそうで、羨ましいなぁと思うばかりです。

今作を観てふと、そういえば邦画でこういうドキュメンタリー作品て観たこと無いなと。
まぁ制作しなきゃいけない作品は多いのに作り手が不足していそうだから、ドキュメンタリー作る時間が無いのかもしれませんねぇ。
でもそうやって考えると活動休止前の一番忙しかったであろう期間に密着してドキュメンタリーが撮れた嵐ハンパねぇって。
個人的には数多くの作品を遺し、多くの名俳優達に営業を与えた蜷川幸雄のドキュメンタリーは観てみたいですね。
Jun潤

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