鹿伏

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズの鹿伏のレビュー・感想・評価

3.5

自罰的明晰夢
原作をちょっと知ってるくらいであっても(これは解釈違いなのでは…?)の気持ちがすごい。監視モニターと睨めっこしながらフレディーズが部屋に入ってこないようにして朝まで粘ってそれを五日間続けるがコンセプトなので、戦えないし逃げられないしだからこそ緊張感があるゲームなのに、その感じがあるのは本当に冒頭くらいであとは完全に状況と設定を拝借したスリラー映画だった。いま流行りの章立て構成にして一夜!二夜!みたいにバーンとやった方がファイブナイツ感もあって…いやそんなことよりも未知なる力で鍵やらドアやらあけんな、そもそもの前提がおかしくなるでしょ。タクシーにフレディーズが乗り込んできたり部屋に現れたときは、それをやったらぜんぶおしまいなんだが!?!?だった。いちおうの理由はあったといえ……

人間ドラマに焦点を当ててるので主人公を応援したいが、どうしても序盤に自分の勘違い+思い込みによって父親を馬乗りになってボコるシーンを思い出してキッッッツ………だった。子どもの前で殴んな。どうしようもないトラウマを抱えた人間を描くにはあまりにもサイコが強すぎる、テメーのトラウマのために幼い子どもにトラウマを植え付けんな。ボコられた相手の父親が精神的に不安定になってあの子どもに暴力を振るったり家庭がうまくいかなくなって、あのときさえなければあの男さえいなければ、と子どもが復讐するシナリオちょうだい

あと人間関係が本当にわかりづらくて、そもそも主人公と妹の歳が離れて見えすぎて父と娘だとうたがわなかったし、12歳のときの回想では妹はいないように見えるし、でも「弟がいたって覚えてるか?」みたいなくだりもあるから(もしかしたら翻訳の問題かもしらん、弟がいたと知ってるかみたいなニュアンスだったのかも、英語は聞き取れなかった)ぜんぜん時代感がわからない。見たことは忘れずに身体に蓄積されてるって言葉通りに捉えるならまだ幼心もついてない状態でも夢としてアクセスできる、みたいなのはわかるんだけど、なまじゴーストというか魂みたいな概念が出てくるので超能力的に理解できたって設定でもなんもいわんよ。それどころの騒ぎじゃないので……

いちばん怖いのは明らかにヴァネッサ。もちろん父親から指示されていたのはあれど、あの速度で距離を詰めてくるのがふつうに怖すぎるって
鹿伏

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