山本Q

ザ・クリエイター/創造者の山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

あんな予告編を見せられたら行かないわけには行かない。
タイミングもよくIMAXでみれた。


映画はそんなに面白く無いけど、ビジュアルがすごい。「Tales From the Loop」のテイストで、ロボットの感じは士郎正宗っぽい。未来感は、PSのゲーム「ワイプアウト」のプロダクトデザイン風。タイプフェイスなんかもTOMATO「ワイプアウト」風で、世代的には懐かしいグッとくるテイスト。
スターウォーズ、サイバーパンクからちゃんと差別化されてる一歩進んだSFビジュアルに挑戦していて素晴らしい。要素要素は見慣れてはいるけどなかなか世界観として提示されたことのない味わいで結構発明級かもしれない。

見どころとしては、やはり生活の中に溶け込んでいるロボットやテクノロジーが東アジアの自然に馴染んだ世界だろうか。展開が忙しないのであんまりじっくり味わえないけど、見たことのないものを見せてもらってる興奮がある。

お話としては残念なことに「またこれか」という印象。まるっきり青い人をロボットに置き換えたアバターみたい。あれだけ精巧なロボットデザインをしているのだから、ロボットをただ擬人化しただけではないAIのあり方が見れるんじゃないかと期待していた。
流れは状況絵面的にベトナム戦争の映画を思い起こさせられる。
悪いやつをやっつけてスッキリしたいから、インディアンからナチス、イスラム教徒と悪者がコンプラ発動でスライドしていったけど、悪くできる奴がいなくなって宇宙人ならと嬉々として殺してたら、さすがにそればっかり・・・となったのか、回り回って結局俺たちになってしまった。
「自分たちの論理で他民族を圧倒的な武力で虐殺する」やつを悪者にするのは、ネイティブアメリカンへの仕打ちがよほど蟠りがあるんだろうか。
それでも、悪いのは俺じゃなくて「軍人の奴ら」としているあたりが何とも。

キャストは「ブラック・クランズマン」があまりにも良かったジョン・デヴィッド・ワシントンが嬉しい。忙しい映画なので、段取りをこなすだけで精一杯のキャラクターだったろうか。魅力のキュートさが物足りなくて残念。
アルフィー役の女の子はなかなか良い佇まいだったけど、実在しているのかな?存在感勝負な役だったけど期待には応えてたんじゃ無いかな。綺麗な子どもの子だった。
キーになるミステリアスな女性役のジェンマ・チャンさんは最近よく見る綺麗な人な印象。
今作の主役は人ではないと思うので、この中でこれだけ存在感を見せるのはさすがのメインキャスト。

音楽のチョイスが、内容に沿った感じではなく、ちょっとミスマッチ感がででいる使い方が面白かった。効果音はどれもぽくて良い。爆発やスキャニング時の音など、やはりテクニカル系のものに付随する音はどれも良かった。
山本Q

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