Filmarksでこの映画を観ている人が3人しかいなくて、チリのスキー場を見たい人、もっといないの?と拍子抜け。
ブラジルの高校生が高校を卒業し、家族と共にチリのスキー場にバカンスに行く話。お母さんは有名人設定なので、比較的富裕層の女の子だと思われる。主人公のマベルを演じているのは、ブラジルのドリュー·バリモアか?
日本のスキー場のことをよく知らないけれど、チリのスキー場のゲレンデにはほとんど人影がなく、山々や湖などは神々しいまでに美しい。
スキーリゾートでイェーイ!みたいな話かと思ったら全然違っていて、高校を卒業と同時に少女時代を終えることを余儀なくされ、大人への入口に立たされて、怖れと不安を感じているマベル。毎日のように会っていた仲よしグループとの楽しい日々が卒業によって強制終了になり、一人一人がそれぞれ新たな居場所に向かわなければならない。新しい世界への期待に胸を躍らせてワクワクする人が多いのかもしれないが、私も居心地のいい小さな世界が閉じられるのがとても残念だった記憶があるので、マベルの気持ちには共感できた。
あの秘密めいたスピリチュアルな儀式、南米ではよくあるのだろうか?どう見てもカルトチックなので引いてしまったが、決して邪悪なものではなく、自らと真摯に深く向き合って壁を乗り越えるための互助的な仕掛け、ということなのかな、よくわからないけど。
他にも、突然のヌードとか、突然の日本語とか、南米だからで説明がつきそう(もしくはこじつけられそう)なことがあった。ジュリア、インディオ系にしては雰囲気が違う気がしたが、そういうことだったのかと納得。アンドレアの告白には、チリには黒人が少ないと聞いたことを思い出した。
ベンジャミンがスキーのコーチだということはわかるが、他の人たちについては何者なのか不明。でも、多分みんなポルトガル語で話していたのではないか。会話中に文学作品からの引用も多く、それは元になっているのが小説だというのと関係ある?
何はともあれ、空気の澄み渡るチリのスキー場を見ているだけで体感温度が3℃くらい下がる気がするので、映画を観て涼みたい方にはオススメ。