『エイブのキッチンストーリー』と似たようなテーマなので続けて視聴。こちらは打って変わってかなり引き込まれるドラマらしいドラマだった。
指揮者バレンボイムと文学者サイードが1999年に設立した和平オーケストラ「ウェスト＝イースタン·ディヴァン·オーケストラ」や、アラブ人とユダヤ人で構成されている別のオーケストラへのかなり徹底した取材に基づいて作られているとのことなので、あの中には実際にあったワークショップやエピソードが含まれていると考えてよいのでは。甘い話はひとつもないからこそ、彼らが共に奏でる音楽が強く胸に響いた。
ホロコーストを経験した祖母のエピソードを語った男の子の話に、彼等に取り憑いた集団記憶の恐怖は、80年近く経ったところで全く風化などしていないのかも…と感じた。でも、ホロコーストと関係のないパレスチナ人が、何故その代償を払わせられるのか。彼の祖母の妹が殺されたというイスラエル独立戦争＝第一次中東戦争前後の経緯を今一度知りたい。
