Cisaraghi

忘れられない年、春のCisaraghiのレビュー・感想・評価

忘れられない年、春(2023年製作の映画)
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ブラジルの『忘れられない年…』シリーズの春編。思ったよりずっとよかった!

世界遺産に登録されている古都オウロプレトの春。ヨーロッパ風の中産階級的な町が、日差しが強く色とりどりの花が咲き乱れる熱帯地域(※)にあるのを初めて見た気がして、非常に珍しく感じた。住民たちも、この美しい坂の町に愛情と誇りを持って暮らしているのがわかる。人口7万人の小都市・オウロプレトを知ることができただけでも、この映画を見てよかったと思う。

人種的な混淆が進んでいるブラジルらしく、高校では肌の色関係なくフラットな人間関係が作られている様子。主役の女子、相手役の男子共に褐色の肌の美形だが、色々混じってそう。
 若者の悩みはいずこも同じ、夢と現実、親との関係、そして恋と友情。よくある話だけど、それが熱帯ブラジルの古都で展開されるというだけで新鮮だ。

芸術家を目指すジャスミンが描く絵も素敵だし、メルヘンチックなオウロプレトの家に合わせるようにみんなの着ている服も手芸味あってカワイくて、全体的に美術・衣裳はリオオリンピックの開会式での、選手入場行進の時のカラフルでキュートなアートワークを思わせる。
 
テストの話は、数学劣等生だった者からすると、ちょっとリアリティーを欠いている気がするかな(笑)。オウロプレトは大学町でもあるらしい。

※熱帯にあるが、標高が1000m以上と比較的高いので、気候は年間を通してマイルドで、夏も30℃を超えないようだ。
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