アメリカ初の女性大統領の息子・アレックスと英王室のヘンリー王子は犬猿の仲だ。あるパーティで起きた小さな事件のせいで、二人の不仲を示す決定的瞬間がSNS上で拡散されてしまう。国際問題に発展しかねない状況になると両国の関係者は火消しに奔走する。とくに大統領選を控えた母にとっては再選されるかどうかの大事な時期に余計なスキャンダルは迷惑千万。関係は良好であることをアピールするために、ふたりは関係修復の場を与えられた。。。
アレックスはバイセクシャルでヘンリーはゲイであったために、関係修復の域を遙かに超えてふたりは熱愛カップルになるという展開は少々強引で説得力に欠ける。途中、見飽きたボーイズラブの妄想的ストーリーに退屈を感じる部分があるが、セクシャルマイノリティに関するアメリカ大統領家のオープンな考え方としきたりを重んじる英王室の古い考え方を対比させた上、最終的に、大衆の強い支持のおかげで、ふたりの恋が成就するという流れは独創的でおもしろい。LGBTQに対する理解をさらに進めようとする強いメッセージが感じ取れる作品だ。