Scarlet

バジーノイズのScarletのレビュー・感想・評価

バジーノイズ(2023年製作の映画)
2.0
“主役の”音楽”が力量不足”

導入部の映像も、人と関わるのを極端に恐れて楽曲作りにのめり込む清澄の人物像もいかにも”今の若者”で魅力的だった。

しかし、後の展開は平凡を絵に描いたようで、眠気を誘った。

今や、全く楽器を演奏できなくても、PCの打ち込みやgarage bandなどのアプリを駆使して、誰でもシンガーソングライターになれる時代だ。

反対に、誰でもできるからこそ、YouTubeの配信から出てきて売れるには、類まれな才能が必要だ。

個人的に今、一推しの、藤井風やバウンディーには、ちょっと聴いただけで魅了される、楽曲そのものに才能が溢れている。売れで然るべき。

作中の本当の主役は、清澄が作り出す楽曲なのだが、はっきり言って平凡で、どう考えてもこれでプロフデビューしたり、他のアーティストに曲を提供するほど売れるとは思えない。(作品中の楽曲を手掛けたのが誰か知らずに書いているので、もしすでに活躍しているアーティストだったら、正直な感想なので、受け止めて頂きたいと思う。)

私が毎週聴いている某ラジオ番組では、一般リスナーが作曲したジングルや、一般リスナーがアレンジして演奏した楽曲を投稿して、番組中で紹介するコーナーがあるが、時にはプロ顔負けの完成度の高い作品があって、鳥肌が立つ。

清澄の音楽は、はっきり言って彼らにも負けている。

この作品、楽曲の力量不足と脚本の平凡さで失敗したと言える。

公開2日目の、GW真っ只中なのに、観客は10本の指で数えられる程だった。

予告を観て期待していたので、残念だ。
Scarlet

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