翼

ラブ&ポップの翼のレビュー・感想・評価

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)
3.3
庵野秀明(新人)の実写映画。シンゴジラやシンエヴァを観た今からすれば、本作から庵野フレームが完全に確立されてることに驚く。
黒バックに例の明朝体も、クラシックをBGMにポエミーな語りも、主題と性とを連綿と描く感じも、オタクがたくさん出てくるところも。
そしてルーズソックス・携帯電話・援助交際などなど数多の要素から完全に時代の中心たるパワーを持った「90年代の女子高生」を切り抜いていて、文化的な別の価値も感じる。

援交だP活だと名前を変えても本質は同じ。
若い女の子が危うさと引き換えに簡単に大金を手にする。労働対価としてあまりにも簡単で不気味で、何かを喪失しながら得た金の使い道は、なんであれどこか虚しい。
ローアングルが多様されるが意地でもパンツを映さないところに庵野のJKに対する神秘性とリスペクトを感じた。
翼