さいごん

変な家のさいごんのレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
3.1
皆が書いている「ミステリーだと思ったらホラーだった」という言葉に尽きる。
ホラー映画としてならば...と褒めている人もいるようだけど、少なくとも自分にとっては決してホラー映画としても上手いとは思えなかった。
ホラー映画というけれど、あるのは何となーくの雰囲気だけの不気味な空気感と突然の大音量の驚きだけで本気で「怖い」と感じた人ってどれくらいいるのだろう。
恐怖も何も感じていない時のジャンプスケアはマジでイラッとするだけなので、あれならばない方がよっぽどマシだったと思う。
監督の石川さんも脚本の丑尾さんもどちらもドラマ向きの資質の人であって映画向きじゃないんだなぁと再確認。

そもそも多くの人がミステリーだろうと思って来ているわけで、仮にホラーとしての出来が良かったとしても観客が満足したかどうかは疑問が残る。
前述の作り手の問題を含めてスタートの段階での間違いが多々あったように思えて仕方がない。

ちなみにこの映画で1番怖いと思ったのは、これだけ評判が決して良くないこの映画が興行的には大成功しているという事。
元になったYouTubeから劇場に流れて来ているんだろうけど、まるで一時期のテレビドラマの映画化ブームを思い出してしまう。
近年の邦画の大きな流れとしては「ちゃんと映画としてのクオリティで観客を取り戻そう」だったと思っているんだけど、この映画をきっかけに「とりあえず客が入ればいいや」の時代に戻ってしまうのが怖い。
そういう風に観客が集まってもクオリティが低かったら「やっぱり邦画ってつまらない」になって逆効果だと本当に分かってください。
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