さいごん

トップガン マーヴェリックのさいごんのレビュー・感想・評価

4.8
どうしてもIMAXで見たかったため大分乗り遅れてしまったけれど無事IMAXレーザーで見る事が出来ました。
結論から言えばこれが大正解で映画館で映画を見る事の楽しさを改めて思い出させてくれるような映画でした。

前作については特に思い入れがあったわけでもないし、前日に見直してみたけどやっぱり「当時は凄い映画だったんだろうけど、今の感覚で見ると...」という感じだった。
でもこの映画を見た時に感じたワクワク感が恐らく前作をリアルタイムで見た人の感覚だったんじゃないかと思うし、それを追体験させてくれた事に対しては感謝しかない。

大きい画面最高!大きい音最高!飛行機かっこいい!服もかっこいい!迫力ある戦闘シーン最高!ハッピーエンドで良かった!
と馬鹿っぽい感想だけ書いて終わりにしても良いとは思うんだけど、一応少しだけ付け加えておこう。

この映画で何故皆が熱くなるかと言うと、恐らく技術的なアップデートはあれど何か新しい事をしているわけでもなくて色々な面でむしろ泥くさいほどにアメリカのエンタメ映画のイメージそのままを貫いているからだと思う。
新たなアプローチで作られた名作が日々生まれても、だからと言って愚直なまでの王道が淘汰されるのかと言えばまさに「今日ではない」と映画自身が言い放っている。

こういう映画自体の作りが映画の中で描かれている事を体現しているとやっぱり無条件でアゲアゲになりますよ。
(逆の例えで言うと、適当に作られた映画の中に「真剣に生きろ!」なんていうメッセージがあったら余計に腹がたつように)

あとは見ていてちょっと思い出したのはシン・ゴジラ。
あの映画と共通するなと思ったのは、とにかく俺達が何を見たいかという事を分かっているというところ。
本作も今の基準で言えば話の部分やら人物描写やら物足りなさを感じないわけではない。
でも俺達がこの映画で何を見たいかと言えば人間同士の細やかな心の機微じゃなくて、とにかくかっこよくてぶち上がるシーンなわけです。
カンヌでは褒められないかもしれないけど、エンタメなんてそれでいいんだと本当に力技で乗り切っている。

一つだけ気になる事を言うと、他の方も書いている通り色んな倫理的な問題、そもそも軍隊をヒーローとして描く事の問題、そこに関してはエンタメだからなんでもありで済ませるのも違うとは思う。
ただ、それを解決しようとするとこの映画の高揚感に繋がる部分まで削がれてしまうとも思うので本当に難しい。
まぁそれを含めて良くも悪くも昔のアメリカ映画っぽいなぁとも思うけれど。

ともあれ前作に思い入れもなく、あまりこの手の映画を好んで見ない自分がこれだけ楽しめたのだから前作をリアルタイムで楽しんでいた世代には本当にたまらないものがあるんだろうなぁと心底羨ましい。
いやぁ、映画って本当にいいもんですね~。
さいごん

さいごん