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ナポレオンのいののネタバレレビュー・内容・結末

ナポレオン(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ロベスピエール?名前きいたことあるぞ! ジョゼフィーヌ?知ってる知ってる! アレクサンドロスやカエサルみたいにエジプト?あーそれもわかっちゃうんだよなーw → 絶賛世界史学び直し中のわたしは、ちょっとでもわかるとうれしくなっちゃって持続可能な前のめり状態(意味不明)。今作での縦糸は戦い。その戦いは主に大砲から。そして横糸はジョゼフィーヌとナポレオン。わたしはそんな風に感じました。その2点について書きたいと思います。


① 大砲について
当時の士官学校でもっとも人気のない砲兵科で学んだナポレオン。今作で描かれる戦いは、トゥーロン港の攻囲戦(1793.12)からワーテルローの戦い(1815.6)まで。最初の戦いからナポレオンが大砲を実に効果的に使用していたのかが、映像でよくわかる。アステルリッツの戦いで凍った池?(湖?)を大砲で割って敵方を沈ませるところは、氷面下に沈んでいる人たちと血の色が混じり合って、観ているわたしも凍りそうでした。最後のワーテルローでは、ナポレオンお得意の大砲は影を潜めていて、陣形など見所も多かったのに、序盤から頑張りすぎて知恵熱が出ちゃったのか頭が朦朧としてきて集中力が持続不可能状態に。


② ジョゼフィーヌとナポレオン
ジョセフィーヌが愛人と密会していることを知ったナポレオンがエジプトから戻ってくる。ナポレオンに謝罪しながらも結局はマウントとるジョゼフィーヌが凄い。「あなたはわたしがいなければただのひと」だったか、「あなたは、あなたのお母さんとわたしがいなければあなたでいられない」だったか、そんなようなことを言うと、ナポレオン泣いちゃうんだもの。このふたりの愛憎関係、というか緊迫した関係がとても巧く描かれていたと思う。


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メモ

※当時、貧乏貴族が出世をする近道は軍人になること。
※当時の士官学校は騎兵科・歩兵科・砲兵科の3科。
※パリの士官学校での成績(卒業時の席次)は58名中42番



※絵画「ナポレオンの戴冠式」(1807年、ダヴィド作、ルーブル美術館蔵)
・戴冠を見守る母は描かれてはいるが実際は参列していなかった。
・ダヴィドはナポレオン自身による戴冠を描いていたが、誇張を指摘する弟子の忠告で妻への戴冠の構図に変更した。これによりナポレオンの傲慢さは緩和された。


※ジョゼフィーヌは離婚に際して多額の年金と居館としてマルメゾン城をあたえられ、皇后の称号を名のることも認められた。


参考資料
・『「なぜ?」がわかる世界史 オスマン帝国~現代』浅野貞夫(学研教育出版)
・『ニューステージ世界史詳覧』(浜島書店) 
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