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ジョー・ブラックをよろしくのmiumiuのレビュー・感想・評価

4.6
人生の美しさと愛を描いた、とてもとても美しい映画。

これ公開時に映画館で観ていて、今回は2回目の鑑賞。
が、当時の感想が「ブラピカッコ良かった」くらいしか思い浮かばない…
こんな美しい映画をスクリーンで観たのに、いくらお子様だったとはいえ昔の自分の理解力のなさが恥ずかしい…
ああもう一度大きいスクリーンで観たい。


人間界に興味を持った死神(ブラッド・ピット)が人間の青年の身体を借り、死期の近いビル(アンソニー・ホプキンス)を案内役に、人間界を、そして愛するとはどういうことかを学んでいく物語。

とにかくブラッド・ピットのビジュアルが最強に美しい。
金髪に青い眼、スーツ、タキシード姿でピーナッツバターが好きな心優しき死神。
人間界のことがわからないゆえのピュアな反応とか、浮世離れした表情とか、ひたすら可愛い。
もういくらでもピーナッツバターあげたくなっちゃうよ。

ビルの娘で死神の恋の相手スーザン役のクレア・フォーラニも美しい。

そして素晴らしいのがアンソニー・ホプキンス。
これまで演じているのを観た中で一番好きな役かもしれない。
富豪でありながら優しい父親で毅然とした経営者。
家族や死神ジョー・ブラック相手に説く言葉の数々が心に残る。
特に終盤のあの言葉は映画史に残る名言でしょう。

映像もひたすら美しい。
コーヒーショップの場面、ビルのお屋敷、プールの場面やビルの誕生日パーティーの場面など、風景・背景がひたすら美しい、カメラワークも練られていて好き。
パーティー会場の花火の場面は、展開とも重なって涙が出るほどの美しさ。
音楽も優しく壮大で美しい。

181分は長い… けれど思い返すと不要なシーンがないんだなあ。
ラブストーリーであると同時に親子の愛や人生について描くヒューマンドラマでもある。
なのにファンタジーらしいコミカルな展開もあって、ビルの事業を邪魔する悪役もいて、意外に観やすい。
ラストに近づくほどゆっくりした演出になるのが、人間界を離れることを惜しむジョー・ブラックの気持ちや限られた生を生きるビルの思いと重なっているかのよう。
死神と令嬢の恋、何とも切ない。

昔観たときと違って今ならわかるのが、ビルの視点と彼の語る深い愛、娘たちを思う気持ち。
年齢を重ねてから観た方が染みる作品だなあ。
ブラピ目当てで観ても楽しめるけれど、それだけではない深いラブストーリー。
時間を置いてまた観てみたいな。
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