バナバナ

市子のバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

もうAmazonで観れますよ! ありがたや。
宮部みゆきの『火車』みたいな話だと聞いていたので、覚悟を持って視聴。

長谷川からプロポーズされた時の涙。
あれは、普通の恋人の様にわたしも愛する人からプロポーズされた、という嬉しさと、
結婚届は出せない…、この楽しくて幸せだった生活もこれで終わってしまう、という悲しさが入り混じったものだったのだろう。

映画を観ても分かり難かったところが、月子はなつみが産んだ子供ではなく、小泉の娘で、市子とは血は繋がってなかったんですね。
あの子が死んだ時に、ちゃんと届けて、大人が市子たちの戸籍をいじくっていた事を腹を括って認めていたら、市子はここまで苦しまなくても良かったのではないか。
だって市子は、キキや長谷川の様な人とも知り合うことが出来たのだから。

日本は大人の犯罪よりも、未成年には優しいと思うのよ。
特に市子の様にグレてる訳でもなく、事情がある子には。
最初の事件や次の事件がバレてすぐに捕まってた方が、少年院に入ったとしても、もしかしたら支援してくれる人が出てきて養子にしてくれ、出る時にはちゃんとした戸籍を得ることが出来ていたかもしれない。
それに罪を償っている訳だから、出た後は自分のやりたい事ができるだろうし…。
こんな蛇の生殺しのような人生、絶対辛いわ。

北くんは何故か市子の全ての事情を知ってからも「月子、月子」と言っていたが、
市子からしたら「私は市子としての、自分の人生を生きたいのよ!」と思っている訳だから、北くんを鬱陶しく思う気持ちに共感してしまった(汗)。
でも、この3回目の成功体験は、いよいよこの人、もう普通には戻られへん、と思って怖かったわ。

日本の今の法律上、無国籍は避けられなかったのかもしれないが、この映画の内容の場合、大人が子供に甘え過ぎ! 負担かけ過ぎだろ!と腹立たしく思いました。
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