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彼方のうたのolnのレビュー・感想・評価

彼方のうた(2023年製作の映画)
3.0
【ごめんなさい、むずかしかったので日記を書きます】
ジャンル:シネマ教、悟りへの道

エンドロールが流れ始め、私は首を傾げた。時を同じくして、目の前にジッと鎮座していたアッシュグレーの頭髪が、私と同じ角度まで傾いた。そう、本作は分からなかった。
いつもは私が感じたままのレビューを書くよう、鑑賞後には他者のレビューを視界に入れないうちに下書きを書くのだが、このままでは暗中模索が過ぎるため、信条に反する行為を敢行した。すると、禅問答のような称賛の嵐が吹き荒れており、困惑が渦を巻き、脳内は混沌としていく。
「Filmarksのあらすじで気づきを得た」というレビューを拝見し、あらすじに目をやる。なるほど、本作の1割程度を理解したように思う。

さて、なぜ理解できないのだろう。これはきっと、私が資本主義社会のビジネスシーンに根付く、5W1Hの鉄則に染まり過ぎたことが問題なのだろう。本作は、主語の概念から程遠いところにある。いつ、誰が、何故、何処で、どうやって、何をしているのかが分からないのだ。全て分からないとは言わない。冒頭のシーンの探し物が、おそらくは見つかったのかもしれないシーンはあった。何かの目的を達したと思しきシーンもあった。ただ、だから何だと言うのだろうかとしか思えなかったのだ。

そんなことを考えながら、陽が落ちる寸前に買った少し贅沢な食パンを切り分けていると、絶対に4枚にすべきところを3枚にしてしまった。この不格好に分厚い食パンを、青く染まらならなかった月曜日の朝食にしよう。オムレツも作るに決まっている。
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