スワヒリ亭こゆう

DOGMAN ドッグマンのスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

リュック・ベッソンの最新作です。彼の新作が公開されてもイマイチ盛り上がってませんね💦
そういう僕自身も公開週は『DUNE』を観に行きましたからね😅それでもスルーはしたくなかったので観に行ってきました。

多種多様なリュック・ベッソン監督ですが本作の様なフレンチノワール(本作の舞台はアメリカ)は僕が彼の作品で一番好きなタイプの映画です。
何より『ドッグマン』ことダグラスのキャラクター性が本作の魅力でしょう。
登場シーンでのドラァグクイーンの格好をしている。
幼少期の悲惨な体験から犬小屋で暮らす羽目になり、犬達がダグラスの味方であり仲間であり家族になった。
ある事がキッカケで足が不自由になりギリギリ立つ事が出来るけど車椅子生活をしなくてはならない。
暗くて辛い過去がダークヒーローを確立しています。この辺りの語り方の上手さは惹かれます。

事情聴取の中で【ドッグマン】の生い立ちが語られていく。という形でストーリーは進みます。
如何にして【ドッグマン】が誕生したのか?面白いストーリーでした。
犬と行う犯罪など突飛な発想も面白いです。


⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️

⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️

⚠️⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
気になった事もあったので、書いておきます。
【ドッグマン】として有名になっていたダグラスの元に1人の青年がやってきます。
クリーニング屋の娘がギャングからみかじめ料を脅し取られて困っている事をダグラスに行って助けを求めるんです。
ダグラスもクリーニング屋の娘を知っていて、クリーニングを頼んでいる事を言っていました。
ダグラスはギャングのボスに犬を使って脅し、クリーニング屋の娘から手を引く様に言うんです。

このシーンは映画の序盤で出てきます。
その後、如何に【ドッグマン】になったかを深く語られていくんです。
その過去を見て青年がダグラスにギャングの揉め事を何とかして欲しいと助けを乞う事に違和感を感じてしまいました。
沢山の犬と暮らし、車椅子で女装している変わり者。
というのが世間の目のはずなんです。犬を使って強盗したり、人を殺めたりするのを世間的には知られていないはずなので車椅子の人に強面ギャングの揉め事を相談しに来るのはおかしいですよね。
それなら直接、クリーニング屋の娘がダグラスにクリーニングを届けに来てくれた時に顔に怪我をしている。ダグラスが事情を聞いて、勝手にギャングに脅しをかける。というストーリーにしないとダメだと思います。
ありふれた西部劇のプロットです。
ありふれた物に【ドッグマン】を落とし込む事で面白くなる。そこに矛盾が生じてしまうのは勿体無いですね。そこだけが気に入らない所でした。