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『サターン・ボウリング』に投稿された感想・評価

[ネオン輝く狩人たちのボウリング場] 90点

大傑作。パトリシア・マズィ監督最新作。父親が死んだ。彼の遺した地下ボウリング場を相続した刑事のギョームは、その日暮らしで放浪中の異母弟アルマンに譲ることにした。地下ボウリング場は真っ赤なネオンライトで照らされた近未来的な、そして昼夜すら分からない底なし沼のような存在として、兄弟を絡め取る。放浪者として社会の片隅で行きてきたアルマンは、植民主義と男性優位主義をそのまま具現化したような父親のマンションも譲り受け、父親の服を着ることでその思想をも継承する。ボウリング場はハンターだった父親の仲間たちのたまり場となっていて、彼ら老人たちがバーで落としていく金が主な収入源だった。アルマンはそんな彼らの有害さを理解し毛嫌いしているにも関わらず、"一人前"として最終目的地は彼らであり、彼らと本質的に同化していく。彼はボウリング場の責任者という立場を悪用して、女性客を"狩って"いたのだ。最初の殺人については、出会いからセックス、そして突然の撲殺に至るまで詳細に描かれ、一見露悪的ともとれるほど執拗に犠牲者の血まみれの顔を映し続ける。それは犠牲者への鎮魂のようでも、彼女たちを記憶するための決意のようでもあり、少なくとも露悪的な目的だけで映しているわけではないことが分かる。一方で、ギョームは老人ハンターたちのことを理解しながら、同時に排除しようともする、良く言えば中立的な立場、悪く言えばズルい立場にあり、アルマンとは徹底的に対比されている。

老人ハンターたちは、ネット上で彼らを批判する環境活動家の若い女性スアンを毛嫌いしており、その中の一人が猟銃を持って彼女のオフィスに立て籠もる事件も起こしている。現場に急行したギョームはスアンと知り合って互いを思い合う仲になる。彼女のプロットから浮かび上がるのは、老人ハンターたちの意地の悪い有害性とストーリーのわざとらしい陳腐さだ。前者は言うまでもないが、後者に関しては批判も多い(というか受け入れがたい物語の批判の矛先をそこに向けているという印象)。問題のある弟、刑事とは相容れなさそうな仕事をしている意中の女性、やたら厳しい上司に突然やって来る未来の被害者など刑事もののクリシェが様々登場する。しかしそれは、最後になってクリシェやマズィが本作品の中で作ったリズムを敢えて外すための布石に過ぎない。"過去は反論と修正によって破壊されなければならない"というニコラス・ベル評に深く同意したのはこれが理由だろう。

ボウリング場は駐車場や入り口も含めて地下にあるため、赤いネオンライトも相まって閉塞感が凄まじい。そこにその有害さを隠しもしない老人たちや動物のようなアルマンが解き放たれる緊張感が全編を覆っている。
3.0
【有害な男性性はボウリング場の外側にまで......】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=yQGiUq_VRaY

師走ですね、師走といえばカイエ・デュ・シネマベストの発表!

2023年はかなり攻めたラインナップになっていて面白かった。折角なので2022年の未観作品を探して鑑賞した。今回はパトリシア・マズィ『SATURN BOWLING』である。彼女の作品はジャンル映画を踏襲したタイプのものが多く、カイエ・デュ・シネマベストで時折選出されるのだが、正直ピンとこない印象がある。本作はその中でも割と分かりやすい作品であった。

男がハンバーガーを食べながら夜道を歩いている。すると、背後からにじり寄るように車が近づき、葬式があることを知らせる。父が死に、ボウリング場が残された。それを受け継ぐのはフーテンの異母弟アルマンだった。ボウリング場に有害な男性性が集まる中、街では殺人事件が勃発する。露悪的な暴力映画を軸とした本作は、強烈なレイプ描写、殺人シーンを畳み掛ける。その陰惨さはラース・フォン・トリアーやギャスパー・ノエを凌駕するものがあり、思わず目を瞑ってしまうものである。

しかしながら、本作はその強烈さを用いて、社会に傾れ込む有害な男性性の恐怖を捉えようとしている。ボウリング場ではニタニタ不敵な笑みを浮かべる男たちが、猛獣狩りをする映像を観ながらボウリングを楽しんでいる。ドス黒い赤や紫に照らされるネオンの中で、暴力的な男性のコミュニティが形成され、女性は少し萎縮している。そして、1対1の関係になった時、レイプが発生し、街へと暴力の形跡が放り出される。

暴力の連鎖を止めようとするも、ネオンの中の傍観者として朱に染められようとする。ひたすら、この世の悪を煮詰めたような世界が広がっており、戦慄しっぱなしの2時間であった。

個人的に、クリシェの応用例でいえばアラン・ギロディが見事までに家侵入ものを応用させた『ノーバディーズ・ヒーロー』に軍配があがった。

カイエ・デュ・シネマベスト2023全作品解説【映画雑談ラジオ】▼
https://www.youtube.com/watch?v=hlE4lf63934&t=2264s
陰惨すぎるし、性暴力シーンがキツすぎるが、一体どうなるのかと目が離せない。
「ゴールドマン裁判」がすごく印象的だったアリエ・ワルトアリテ主演。
暴力的、覇権的、傲慢な男たちに支配された世界に巻き込まれる二人の異母兄弟。
悪しき家父長制とか有害な男らしさとか他の映画でもよく描かれるが、それが突き抜けたというか、さらに倒錯させたというか…なんと形容したらいいのやら。

疎遠だった父が亡くなり、地下ボウリング場を相続した兄からボウリング場経営を任される弟アルマン。
親の死を機に兄弟の絆が生まれるとか新たな人生を歩むとかそんか気配は全然なくて、ずっと緊張感と不穏な雰囲気が続く。

父が亡くなっても歪んだ男性像はその思考に囚われている中年老年男性仲間によってボウリング場を支配し続け、アルマンも結局抜け出せず、まるで女性を狩っては支配することで一人前になれるとでも思い込んでいるよう。

アリエ・ワルトアリテが演じる兄ギヨームだけが例外的で、彼と動物行動学者のシュアンは、異様な男性の群れからまるで拒絶されているよう。

アルマンも十分に不快だがあの中年老年男性の群れが不快すぎた。