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PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~のmaroのレビュー・感想・評価

3.0
2024年日本公開映画で面白かった順位:25/25
  ストーリー:★★☆☆☆
 キャラクター:★★☆☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

今や一般にも認知されるようになったeスポーツ。
その日本初の劇映画ってことで観てきたのだけど、これがなんとまあ、何も伝わってこない映画で(笑)

eスポーツは日本よりも海外の方が盛り上がっていて、特に大会の賞金額なんかは日本のそれとは比べ物にならないほど高額。
本当にスポーツ観戦をしているかのような熱狂もあり、すごくエキサイティングなイベントだ。
今回、この映画にそういう派手な展開も若干は期待はしたのだけど、、、蓋を開けてみれば徳島の高専生3人がゲームしてるだけのちょっとゆるふわっとした内容だった。

劇中で使われたゲーム自体は悪くなかった。
僕はこの映画で初めて知ったのだけど、『ロケットリーグ』(2015)というゲームで、簡単に言ってしまえば車でサッカーをするようなものだ。
基本的なルールはサッカーといっしょなので、普段ゲームをしない人でもわかるし、点の取り合いにおけるハラハラ感はある。
が、せっかく映画館の大きなスクリーンで観るなら、『フォートナイト』(2017)のようなFPSゲームや『ストリートファイターⅥ』(2023)のような対戦格闘ゲームの方を観てみたかった(笑)
権利の問題で難しかったのかもしれないけど、その神プレイなんかを見せてくれた方がゲーム好きも呼び込めたのでは。

ストーリーも単調すぎたかな。
メンバーもすぐに集まり、特に大きなトラブルもなく、トントン拍子に話が進んでいくから。
それに加えて、すべてにおいて動機がなさすぎるのもこの映画にハマらなかった要因だと思う。
なぜ達郎(鈴鹿央士)がゲームにのめり込んだのかの理由は欲しかった。
ケガでバスケを辞めたくだりはあるけれど、例えば、バスケのスター選手で注目を浴びていたのにそれがなくなり、ゲームの世界でなら再びそれが得られると思ったから、とか。

翔太(奥平大兼)もポスターの「勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」というキャッチコピーに惹かれてメンバーに志願したけど、それが刺さる背景が知りたかった。
両親が不仲の描写があったけど、例えば、常に「人生の勝ち負け」を親から言われていて辟易していたとか。

一番かわいそうなのは亘(小倉史也)である。
ただの人数合わせで呼ばれただけなので、人物背景一切なし。
しかも、この映画は3人がメインのはずなのに、ポスターでは達郎と翔太がはデカデカと載っているのに対して、亘は卒業アルバムで欠席した人みたいな扱い。。。

確かに、世の中すべてが強い動機の下に行動するわけじゃないけれど、面白い映画やドラマってそこがきちんと描かれているから、どうしても気になっちゃった。

こういう映画、ハリウッドはうまく作りそう。
アメフト部からいじめられていたゲーマーの主人公がどん底から這い上がる系の話で。
ライバルとの敵対関係も交えて。
ほどよくドラッグとアルコールとセックスを絡めて(笑)

そんなわけで、日本初のeスポーツ映画ってところに釣られて行ったけど、eスポーツらしい要素がほとんどない内容だった。
昔、若手起業家を題材にした『スタートアップ・ガールズ』(2019)っていう映画を観たけど、あれも全然ビジネス感のない薄い内容だったから、この手の映画って「とりあえずブームだから映像化しておこう」みたいなノリなんだろうか。
もっと面白い内容であれば、起業家にしろプロゲーマーにしろ、それに憧れる人を増やして、業界全体のイメージアップにも繋がると思うんだけど、どうだろう(笑)
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