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クラユカバのandhyphenのレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
3.7
「問わず語りの神田伯山」リスナーであれば観に行かねばならぬという謎の使命感を持って鑑賞。伯山先生が何テイクもかけたひとことは聞かねばなるまい…
レトロとはいえいつとも知れぬ世界観、覆面の奇妙さ。不思議世界にマッチした作画は素晴らしかった。皆言ってるけど大正浪漫スチームパンク。SFミステリ。
ただまあ、61分では語りきれないわなあというくらいのスピード展開ではあり、これ絶対続編作る気だろという余白を感じた。これがミステリ的でなければ余白あってそのままの余韻でも良かったのだと思うけれども、いかんせん強めのキャラをかなり置きながらあまり深く描く時間が取れていなかったというか(情報屋情報をもっと…!)。監督の中には多分引いた伏線の回収先があるはずなので、先が観たいと思ってしまう。
伯山先生はちゃんと演技してました。想像以上に巧かった。いやただ、主人公の後ろにずっと伯山先生が見えるという(見た目全然違うしあんな語り口じゃないのに)、ヘビーリスナーの宿命みたいなものを背負った気分で観てしまってそれは伯山先生にも監督にも申し訳ない気持ちであった。演技云々以前にやっぱり伯山先生の声は存在感が恐ろしいのである。
しかし、続編あったら伯山先生受けるんだろうか…(受けてくれ)。
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