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雪山の絆のsymaxのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
3.7
…それは、悲劇…そして、奇跡…

1972年10月13日…ラグビー選手団を乗せたチャーター機のウルグアイ空軍機571便は、チリに向かう飛行中にアンデス山脈中心部の氷河に墜落…乗客45名のうち生き残ったのは…29名…過酷なサバイバルに直面した生存者たちは、生き延びるために究極の手段を取らざるを得ないとこれまで追い込まれ…

"生きてこそ"としても映画化された"ウルグアイ空軍機571便遭難事故"を再度映画化した本作…

生き残る為に人肉を食べた事実は有名な事故ですから、そこに至るまでの極限の状態をリアルに描き、地味ながらもキツい…

劇中の登場人物は、皆、敬虔なクリスチャン…神が与えた試練と捉えるには余りにも過酷…そして残酷…

"生きてこそ"も鑑賞していますが、微妙に"神"に対するスタンスが違うような?

エンディングで16人の生存者は、ヒーローのように扱われていましたが、当の本人達の複雑な顔付きが、生き残る為にした行為の重さを表しているかのようで…ただ、あの極限状態での選択を誰が批判できようか…

"…俺を食べてくれ…"

"絆"と安直に言えない深い想いがズッシリと詰まった秀作なのでした…ただ…感動するというより、重すぎるよ…
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