オスカーで作品賞、主演男優賞を含め5部門にノミネートされている作品ということで、配信を楽しみにしていた作品。
作家かつ大学で教鞭を取る文学者でもある主人公が、自身の書きたいものとは違う、ステレオタイプな黒人イメージになりきった作品を発表したところ、大ヒット… なコメディ。
オスカー作品賞にノミネート納得の、皮肉の利いたヒューマンコメディでとっても面白かった！
主人公モンクの人生は、キャリアの危機、親の介護問題、兄弟とのすれ違い、新たな恋… と誰もが直面しそうな問題が一気に押し寄せて充分ドラマチックなのに、世間が求めているのは「白人社会が求める、典型的な黒人の物語」なあたりがとっても皮肉。
今作で取り上げられるのは「白人優位社会のUSAにおける黒人」だけど、お金や仕事のために求められる姿を演じないといけないのはアメリカ以外でも共通なわけで、普遍的なテーマの物語だと思う。
黒人の物語を読みたい、見たいと言いつつ結局白人が求める物語を売ろうとする出版業界や映画業界の薄っぺらさも描いていて、ほんと皮肉が利いている。
主演のジェフリー・ライトの演技が見応えあるのに加えて音楽も良かったから、願わくば配信ではなく映画館で観たかったな。
