つぐみ

アメリカン・フィクションのつぐみのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.2
アカデミー賞前日に駆け込みで。皮肉にも
授賞式の議論を象徴…というか予言するような作品になってしまったけど、とっても面白かったです。
スパイク・リーみたいな皮肉皮肉皮肉!!風刺風刺風刺!!社会批判!メッセージ!!みたいなエッジィなトーンというより、どこかマイルドでノーブルな雰囲気を醸しながら痛いところを突くのがめちゃくちゃ2023年製作っぽい。この数日前に「隔てる2人のなんとか」を見たんだけど、たった数年前なのに、その作風にひと昔ぽさを感じてしまったので、ものすごいスピードで映画も進歩しているね。

黒人が黒人らしさを求められる欺瞞って、ステレオタイプとか、多様性の欠如の問題でもあるけど、clickbaitとかviralも大きく関係してるな〜と思う。私だって体験談を書くときにフィードバックで「泣ける話がよく読まれますので、次回そんなのを書いてくれたら」って言われたことあるもん。もちろん自分の本意じゃないので書きませんでしたけど。バズるって結局小手先(戦略らしいけど)だからそんなこと続けてたら心を失う気がして絶対やりたくない。そんなこと言ってるから売れないんだよってモンクの気持ちが分かるので、ウグゥ…ってなりましたわ、痛い、辛い、なかなか沁みるものがあった。

語尾に?がつく変な字幕、急いで納品しましたと言わんばかりで(自動生成したのかしら)、字幕という肝要な部分も「オリジナル言語のニュアンスなんて外国人にはわかんないんだからこの程度でいいっしょ、翻訳なんて雇わずにとにかく配信に間に合わせりゃいいのよ」っていう白人が牛耳るAmazonからの指示だとしたら、構造的差別に根ざしすぎてて含みあって5.0だな笑 脚色賞おめでとうございます🏆
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