フランス映画『最強のふたり』のハリウッドリメイク。
スラム街出身で無職、妻と息子にも見放されたデルは、ハンディキャップを持つ大富豪フィリップの介護人として働くことになる。秘書のイヴォンヌを始め周囲は、キャリアも教養もなくお調子者のデルに反対する。だが、お互いに一人の人間として接し、刺激し合うふたりは忘れていた充実した日々に満たされていく。しかしフィリップの心には、誰にも言えない秘密があった。そんなある日、ふたりを揺るがす出来事が起きてしまう。果たしてどん底だった彼らは＜人生のアップサイド＞に辿り着けるのか？
悪くはない。悪くはないが…フランスオリジナル版と比べると（そりゃどうしても比べてしまうだろう）、そこまでではないかも。
いや、オリジナル版の方もかなり昔に見ているのでそこまで覚えているわけでもないのだけど…。
主人公の黒人介助役は、オリジナル版の方が無茶設定があり、それがかえって富豪とのキャラの対比が際立っていた気がする。要は、オリジナル版の方がキャラが立っていて、魅力的な説得力があったというか。
ハリウッド版は、残念ながらオリジナル版の魅力を越してこなかったとは感じる。
とはいえ、オリジナル版との比較を抜きにすれば、それなりに良い出来の作品なので、観て損はないとも思う。
ホットドッグ店で、介助人だけに注文を聞いて本人には注文を聞かない、障碍者になったとたんまるで透明人間になったようだ、というシーンは、たぶんハリウッド版だけのシーンだと思うが（オリジナル版にもあるのかどうかは覚えてないので、何とも言えないが）、そういう示唆に富む場面があってよかった。
