タカシサトウ

勝手にしやがれのタカシサトウのレビュー・感想・評価

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)
3.9
 ジャン・ポール・ベルモンドのミシェルは、かっぱらいで、女の尻を追いかけるクズなんだけれども、自由で、格好つけていて、当然ともいえるみじめな顛末さえ、サマになっている。あのタバコの吸い方を皆が真似したそうだ。

 ジーン・セバーグのパトリシアも自由奔放で、何とも言えず可愛く美しい。本当に光っている。

 そして、この映像は、みずみずしく、躍動感があり、60年以上前なのに、今だに新しい気がする。この映像の自由さに改めて驚かされる。

 久しぶりに観て、これがジャン・リュック・ゴダールの出発点なんだと、当時のフランス映画の価値観をひっくり返した画期的な作品とのことだが、飛び跳ねてる映像を見るうちに、そうかもしれないと思う。これが、「俺たちに明日はない」に影響を与え、世界に広がっていったとのことだ。

 こういう映像は今ではもう珍しくないが、懐かしい気さえする(2020.9.6)。