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年少日記のkeinoshinのレビュー・感想・評価

年少日記(2023年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭2023、4作目🎞️

冒頭のエリの自己紹介からすぐに大人になった陳先生に切り替わるので「念願の香港大学に入って夢を叶えて教師になったけど、人生はそういいことばかりじゃないよって話ね〜」って思いながら見てたら途中でどんでん返し喰らった。(喰らってない人いないんじゃないか説)

ストーリー的にそうするしか着地しないのかもしれないけど、終盤でエリに散々つらく当たってきた父親が、エリが録音してた覚束ないピアノの演奏のテープを擦り切れるまで聴いてました、っていうネタバラシやアランにエリへの謝罪を打ち明けるのは好きじゃない。エリをあそこまで追い込んだんなら最後まで悪者でいて欲しかった。死期が目前に迫って後悔の念に駆られたのかもしれないけど、個人的にはすごく不愉快だと感じた。

あと、この前観た『成功補習班』でも先生が生徒を海に誘って叫ぶシーンがあって、この作品でも場所こそ山で違えど、先生が生徒に大声出させてすっきりさせて和解っていうシーンがあって、2023年にまだこんな手法を…って悪い意味でびっくりした。

色々思うことはあるけど、陳先生の正体が判明してからはグッとくるシーンも多かったし、最後の卒業式にヴィンセントが「さようなら」じゃなくて「またね」って言ったのも泣けた。ピアノの先生が葬式で泣いてたシーンは思わずもらい泣きしてしまった。

これまで観た4本の中で言い方は悪いけど一番期待してなかった割に一番よかったかも。

余談。
エンドロールのクレジットで気になった点が2つ。
・シェリーがお気に入りのカバのぬいぐるみもちゃんと河馬ってクレジットされてて、さらにキャストも河馬ってなっててなんか笑った。
・家政婦のリナがダブルキャストであることを知る。
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