こたつむり

シュレック フォーエバーのこたつむりのレビュー・感想・評価

シュレック フォーエバー(2010年製作の映画)
3.7
♪ 眠れなくて窓の月を見上げた…
  思えばあの日から
  空へ続く階段をひとつずつ歩いてきたんだね

異端『シュレック』の完結編(仮)。
やっぱりこの世界観が大好きです。
どこかクセがある彼らに会えるだけでニヤニヤが止まりません。

だから、どうしても贔屓目になるんです。
前作なんて色々と酷かったですけどね。悪口なんて書けませんでした。うん。本当。

ただ、前作よりも面白かったのは事実。
やはり、テーマは絞り込んだ方が良いですね。焦点が明確なので迷うことがありません。

口悪く言えば予定調和なんですけどね。
第一作目の挑戦的(というか挑発的)な姿勢から考えると「守りに入っている」と批判されるのも致し方ないところです。

特にブラックな笑いは僅少でした。
でも、完全に無いわけではありません。敵方の相棒の結末とか、異世界のクッキーマンの結末とか…ある意味で「サイコパス」と言いたくなる戦慄はあります。

それに本作の下敷きにあるのは“育児”。
失敗を恐れずに攻めるのではなく、間違いを潰すように同じことを繰り返すのが重要ですからね。この方向性は間違っていないのです。

だから、育児で悩んだ人ならば大いに頷ける物語。食事を作って、食べさせて、片づけて。その繰り返しだけでも気が遠くなるのに、それだけで終わらないのですから…そりゃあ、シュレックのように暴走するのも当然なのです。

やはり、気晴らしは大切ですね。
それを「現実逃避」と批判するのはお門違い。それこそ現実が見えていないのです。澱のように溜まる“何か”に埋まってしまったら…本当に大切な居場所すら見えなくなるのです。

まあ、そんなわけで。
シュレックの反省と成長を描いた物語。
彼らの活躍を楽しんできた向きならば必見だと思います。また、本作は完結編の体裁ですが、2019年に『5』の製作がアナウンスされたんですね。いやぁ。楽しみですな。早くコロナ終われ。
こたつむり

こたつむり