社会のダストダス

ブルーイマジンの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

ブルーイマジン(2024年製作の映画)
3.9
K‘sシネマとキノシネマを思いっきり間違えたけど、同じ新宿だったおかげでセーフ。

映画を観ているとき、着眼点がスケベにいきがちな私には身につまされる作品でした。

俳優志望の乃愛は、かつて映画監督から受けた性暴力のトラウマを抱えている。セクハラやDV被害などを受けた女性たちを救済するためのシェアハウス兼喫茶店「ブルーイマジン」に入居することになり、徐々に自分の心の傷に向き合うようになる。ある時、自分と同じ監督から性暴力を受けた女性が入居してきたことで、今も被害が続いていることを知る。

ハリウッドでは『She Said』で描かれた内容だったりと、ここ数年で映画のひとつのジャンルと化してきた感もある題材だけど、日本ではその絶対数が未知数な印象がある。最初に声を挙げる人の勇気、またその声を伝える人の力によっても、業界や社会全体に与える印象はだいぶ変わる、もちろん加害者の知名度によるインパクトでも。

女性店員ばかりの喫茶店ブルーイマジンにしばしばやってくる、お触りするお爺さんは私が店長なら、キンタマ洗濯バサミ引っ張りの刑に処したうえで出禁にしなければならない。

『ビリーバーズ』での大胆な御姿を邪な目で見ていた北村優衣さんには、本作ではあの時は何かすいませんってなった(笑)

SNSが発達した今は、性被害に関わらず昔に比べると違法行為の隠蔽はしづらくなっているのかもしれないけど、その分情報が拡散される速さ、被害者のセカンドレイプ、冤罪の危険などには注意しないといけないと思う。