夢生

かくしごとの夢生のレビュー・感想・評価

かくしごと(2024年製作の映画)
4.3
完成披露試写会で観賞しました。
杏さんが舞台挨拶で、作品に『打ちのめされる』と仰っていた通りで、
それぞれの立場や倫理観で受け取り方が真逆になったりするテーマだとおもます。

喩え用のない感情の渦に巻き込まれて苦しくなっていきました。
作品の重苦しい展開の中で『母性』という名の柔らかな血が流れていると言うことが、唯一救いでした。

原作のタイトルの『嘘』のように、トメとハライだらけの字より、
柔らかな曲線でカタチどられた『かくしごと』の方が、同じ意味合いでもこの作品にはしっくりきます。
さらに、その『かくしごと』の文字の一文字づつどこか欠けているのも、完成形ではなくても言葉の意味を為せる…物語を象徴した秀逸なタイトルだと思いました。
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