アーリー

理由なき反抗のアーリーのレビュー・感想・評価

理由なき反抗(1955年製作の映画)
3.5
福岡県の大洋映画劇場にて、午前10時の映画祭で上映していたので鑑賞。

ジェームズ・ディーンの作品を観るのは初めて。なんとなくの印象でめちゃくちゃ尖っててキレてる人というのがあったけど全然違った。
結構繊細でナイーブな感じ。ギラギラしてるわけでもなく、かといってナヨナヨしてるようでもない。不思議な魅力があった。

作品のテーマは親と向き合って貰えない若者たちの不安と不満。金でなんでも解決できると勘違いし、子供に対して世間体を押し付ける親。仕事でろくに家に帰らず、子供の世話を使用人に任せる親。
そのような環境において子供たちがグレてしまうのは無理ない。
思春期に親をうざいと感じてしまうのは普通のこととしても、逆にその時期が一番親の愛情を求めているのかも。そう考えると子育てって難しいし、親も大変なんやなとそっち側に少し同情する部分もある。

前半は一種の学園ドラマみたいな感じで楽しく観れた。学生生活が終了した今、ぐれた学生たちの生活もある意味楽しそうでいいなと思う。
ただ今作は命を失う者も出て来ており、やっぱり楽しいだけではなくて、未熟さからくる危険性もあるし、親や教師がしっかり保護しておかないとダメなんだなと思わされる。

作品としては、一人めの人が亡くなったことに対するオチがなかったこと、恋人が亡くなっているにも関わらず主人公とイチャイチャしてしまうヒロインとその展開にした脚本にちょっと違和感を覚えたが、若者たちの不満や親の怠慢、その先にある悲劇など飽きずに観ることができて面白かった。

ジェームズ・ディーンがナイフを猫背気味に構えるシーンがあるが、その様子からウルトラマンのポーズが出来たそうで、たまたま一つ前に「シン・ウルトラマン」を観てたからその偶然にちょっと舞い上がった。
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