ほぼ5時間を既存の映像(B級映画、テレビバラエティ、コマーシャル)をダラダラ繋げた映画。これを無料かつ満席で観れた喜びよ(不意打ちのバファリンのCMが笑いを掻っ攫っていくとはね笑)。これがゴダールが繋ぎ忘れたまた一つの「映画史」なのかなと思ったり(むしろアンチテーゼ？)。意外にもそれぞれの映画がそれぞれ幕を閉じていくラストの展開に妙なカタルシスがあった。なかなか同時並行に観ていた映画が同じタイミングで終結するのは体験できないだろう。そして皆が「グッバイ！」と言わんばかりに終わりを宣言していく。

　あんな出来損ないみたいな物語に、切って捨てられたような、名優になりきれなかった役者や、その一瞬借り出された素人が、煌めき出す。雑多な者らの生きた証が美しい。

これを上映した国立映画アーカイブは本当に偉い。
一生分のアメリカ版バファリンのCMが観られます。

巨大蜘蛛、巨大人間、巨大イナゴ……数々のB級映画やくだらないCMを引用し続けた、巨大なアメリカ(巨大な資本主義)に対する皮肉MAD
一応話は繋がっているものの作品の理解は1時間も見れば十分ではあるが、MADなので同時に5時間でも10時間でも見続けようと思えば見れてしまう
ただ映画館という場所にある意味拘束され理不尽な時間の暴力に向き合うのもなかなかオツな経験だった